下天を謀る [読書?]
私は読書感想文だの、落語評論だの、そういうものは大の苦手で、
他人の悪口はわりと簡単に言えるのだが、きちんとした感想となると
ノーセンス野郎だから「とても面白かったです」などと小学生並みの
文章しか書けない。
あらかじめお断りしておく。
安部龍太郎著「下天を謀る」の上下巻を二日間掛けて読み終えた。
私は昔から藤堂高虎が好きだったのだが、これまでの歴史小説での
扱いは、やれ「謀略大名」だの「世渡り上手」だの、ロクなものでは
無かった。
世渡り上手にしても、豊臣秀長から、秀吉、そして家康、秀忠、家光に
まで重用されたのは、一流の築城技術というスキルもさりながら、
やはり高虎が律義で魅力的な人だったのだろうと思っていたので、
世間の低い評価が気に入らなかったのである。
私は司馬遼太郎の著作はあらかた読んでいて、ロサンゼルスに当時の
野茂投手の応援に行った折には「国盗り物語」を機内で読みふけったし、
随筆やら紀行文やらも片っ端から読んでいるけれど、自慢じゃ無いが
代表作の「竜馬がゆく」だけは読んでいない。
司馬遼氏が高虎を褒めなかったから、ささやかな意趣返しなのである。
この話をするとみんな「馬鹿じゃないの」と言うから、益々意固地になる。
「下天を謀る」を読んだら、私の長年の疑問がいろいろ氷解した。
もちろん、小説であるから、一から十まで事実では無いにせよ、なぜ
秀吉ではなく秀長に仕えたのかや、秀長からの薫陶。その後、家康と
行動を共にした理由がとてもよく分かった。
単に高虎と藤堂家の物語を描くなら、もう一冊あってもよさそうであるが、
「下天を謀る」というテーマにしぼれば、上下巻で不足はない。
「読んで損は無し。読めば分かるさ」ではちっとも感想文では無いか(笑)。
他人の悪口はわりと簡単に言えるのだが、きちんとした感想となると
ノーセンス野郎だから「とても面白かったです」などと小学生並みの
文章しか書けない。
あらかじめお断りしておく。
安部龍太郎著「下天を謀る」の上下巻を二日間掛けて読み終えた。
私は昔から藤堂高虎が好きだったのだが、これまでの歴史小説での
扱いは、やれ「謀略大名」だの「世渡り上手」だの、ロクなものでは
無かった。
世渡り上手にしても、豊臣秀長から、秀吉、そして家康、秀忠、家光に
まで重用されたのは、一流の築城技術というスキルもさりながら、
やはり高虎が律義で魅力的な人だったのだろうと思っていたので、
世間の低い評価が気に入らなかったのである。
私は司馬遼太郎の著作はあらかた読んでいて、ロサンゼルスに当時の
野茂投手の応援に行った折には「国盗り物語」を機内で読みふけったし、
随筆やら紀行文やらも片っ端から読んでいるけれど、自慢じゃ無いが
代表作の「竜馬がゆく」だけは読んでいない。
司馬遼氏が高虎を褒めなかったから、ささやかな意趣返しなのである。
この話をするとみんな「馬鹿じゃないの」と言うから、益々意固地になる。
「下天を謀る」を読んだら、私の長年の疑問がいろいろ氷解した。
もちろん、小説であるから、一から十まで事実では無いにせよ、なぜ
秀吉ではなく秀長に仕えたのかや、秀長からの薫陶。その後、家康と
行動を共にした理由がとてもよく分かった。
単に高虎と藤堂家の物語を描くなら、もう一冊あってもよさそうであるが、
「下天を謀る」というテーマにしぼれば、上下巻で不足はない。
「読んで損は無し。読めば分かるさ」ではちっとも感想文では無いか(笑)。
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